2008年06月19日 (木) 23:20 | 編集

『笑い犬』
西村 健
講談社 2008-06-13
銀行の支店長だった芳賀は、融資に関する詐欺と脅迫の罪で実刑判決を受ける。組織の為に自分一人が罪をかぶることとなり刑務所暮らしを始めた彼は、精神的に追い詰められいつの間にか不気味な笑いを身につけるようになった。負け犬であり組織の犬であった芳賀は、刑務所内で笑い犬と呼ばれるようになり、自分を貶めた銀行上層部への疑惑を持つようになる。「刑務所小説と企業小説と家族小説を、革新的に融合した力作」とあるように、3つの性質を併せ持つ読み応えのある作品だった。刑務所暮らしを経て自らの人生を振り返りながら”成長”していく過程が面白い。長々と描かれる刑務所での生活も芳賀の心理描写が上手く描かれ飽きさせない。
読了日:2008.6.19
★★★★☆
