ruruの読書ノート
ビジネスからコミックまで基本あっさりたまに熱く記す個人の読書感想&備忘録
『虚夢』薬丸 岳
2008年06月30日 (月) 22:46 | 編集
虚夢
『虚夢』
薬丸 岳
講談社 2008-05-23

娘を殺し妻を傷つけ、家庭を失わせた犯人は精神鑑定の結果刑務所へも行かず、自分たちの住む町を自由に歩き回っている。その姿に怯える別れた妻を今度こそ守る為三上は犯人を見張ることにするが・・。「心神喪失」で罪を免れることができる法律は間違っているのではないか?遺族の鬼気迫る思いを描く。読みやすく一気に読めるし、うまくまとまってはいる作品だとは思う。”未成年”同様難しい問題をテーマにしており考えさせられるが、丁度『閉鎖病棟』の後に読んだのでう〜ん普通の感覚で書くと結局こういう描き方になるよなあ、というのが一番の感想。


読了日:2008.6.28
★★★☆☆


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『閉鎖病棟』帚木 蓬生
2008年06月30日 (月) 00:01 | 編集
閉鎖病棟 (新潮文庫)
『閉鎖病棟』
帚木 蓬生
新潮社 1997-05

背表紙に精神科病棟での殺人事件・・とあり、最近読み漁っているミステリーの1冊として購入したのだが読んでみるとミステリーではなかった!何十年にもなる入院生活を送る精神病院の患者たち。外出は禁止されていなくても社会には戻れず閉鎖されていた昔と変わりはない。その中で家族との関係をやり直す者、自己を取り戻す者、彼らと触れ合い癒される通院患者、そして優しさから起きた殺人事件。登場人物が皆純粋で優しい。温かく切ない小説だった。作者は現役の精神科医。話の進みも登場人物たちの言葉もとにかく柔らかい。「琴線に触れる小説」と逢坂剛氏が解説しているが大げさではない。(こういうのって普通大体はずれているんだけどね)初めて読んだ作者だったが、この人素敵だ!とか思ったので別の作品も購入してみた^^;読むのが楽しみ。

読了日:2008.6.25
★★★★★


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『犯人に告ぐ』雫井 脩介
2008年06月29日 (日) 23:29 | 編集
犯人に告ぐ
『犯人に告ぐ』
雫井 脩介
双葉社 2004-07

連続児童殺人事件の犯人をおびき出すために警察はTVを利用して犯人に呼びかける「劇場型捜査」を始める。捜査責任者としてTV出演することとなった巻島警視は、5年前の児童誘拐殺人事件後のマスコミ対応で失脚した人物だった・・。警察小説とあるが犯人は最後の最後まで影が薄く、警察内の捜査状況と主人公巻島の心理描写が一貫して描かれている。警察内部やTV局との駆け引きに重点をおいてあるのがこの作品の特徴であるしそれなりに面白く読めたが、もう少し犯人像がはっきり描かれ対決場面などがあった方が盛り上がったのではないか。

読了日:2008.6.22
★★★☆☆


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『失踪症候群』貫井 徳郎
2008年06月23日 (月) 01:04 | 編集
失踪症候群 (双葉文庫)
『失踪症候群』
貫井 徳郎
双葉社 1998-03

一見何のつながりもない若者たちの失踪。警察が動けない裏の事件を手がける警察官の環、私立探偵の原田、托鉢僧の武藤、肉体労働者の倉持がその真相を探る。自らの意思で消えたように見える若者たちはどこへ行ってしまったのか。数ページ読んで気づく。「これ読んだし・・ていうか3部作全部」(苦笑)でもかなり前のことだし結局また読んだ。最近本屋で適当買いするのでミスが多いなあ、反省。結末も徐々に思い出してしまい楽しみ半減。ミステリ系はどんなに面白くても何度も読めないのが残念だ。人物設定を見てもわかるようにエンターテイメント性が高い作品。若者の失踪のからくりは面白い。なるほどそんな手があるのかと感心した。

読了日:2008.6.22
★★★☆☆


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『子どもたちは夜と遊ぶ』上下 辻村 深月
2008年06月22日 (日) 23:29 | 編集
子どもたちは夜と遊ぶ 上 (1) (講談社文庫 つ 28-3) (講談社文庫 つ 28-3)子どもたちは夜と遊ぶ 下 (3) (講談社文庫 つ 28-4) (講談社文庫 つ 28-4)
『子どもたちは夜と遊ぶ』上下
辻村 深月
講談社 2008-05-15

「i」に会う為には人を殺さなくてはならない・・親しい友人の命さえも・・。D大学でキャンパスライフを送る学生たちを渦中に高校生の失踪から哀しい殺人ゲームが始まる。ネタバレせずにあらすじを紹介するのが難しいので大あらですみません。。登場人物のキャラも立っているし読み応えも十分あって作者の力を感じるが、感想としては、、「若い」かな;「i」の正体も本当の始まりとなった過去も想像を超えることはなかった。良い作家さんになりそうな作者なので今後に期待。

読了日:2009.6.21
★★★☆☆


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『笑い犬』西村 健
2008年06月19日 (木) 23:20 | 編集
笑い犬 (講談社文庫 に 28-8)
『笑い犬』
西村 健
講談社 2008-06-13

銀行の支店長だった芳賀は、融資に関する詐欺と脅迫の罪で実刑判決を受ける。組織の為に自分一人が罪をかぶることとなり刑務所暮らしを始めた彼は、精神的に追い詰められいつの間にか不気味な笑いを身につけるようになった。負け犬であり組織の犬であった芳賀は、刑務所内で笑い犬と呼ばれるようになり、自分を貶めた銀行上層部への疑惑を持つようになる。「刑務所小説と企業小説と家族小説を、革新的に融合した力作」とあるように、3つの性質を併せ持つ読み応えのある作品だった。刑務所暮らしを経て自らの人生を振り返りながら”成長”していく過程が面白い。長々と描かれる刑務所での生活も芳賀の心理描写が上手く描かれ飽きさせない。

読了日:2008.6.19
★★★★☆


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『人生は勉強より「世渡り力」だ! 』岡野 雅行
2008年06月17日 (火) 23:22 | 編集
人生は勉強より「世渡り力」だ! (青春新書INTELLIGENCE 204)
『人生は勉強より「世渡り力」だ! 』
岡野 雅行
青春出版社 2008-06-03

「痛くない注射針」の量産化を成功させた世界一の職人と言われる岡野氏が説く「世渡り力」とは「人と情報のマネジメント力」。一流の技術を持つ職人ながら独自の発想とマネジメント力でビジネスの世界を勝ち抜いてきた氏の言葉は、何より説得力がありリアリティに溢れている。江戸っ子気質の話口調で書かれており読んでいて単純に面白い。amazonに抜粋がかなり紹介されているので見てみて欲しい♪

読了日:2008.6.17
★★★★★


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『本当に生きた日』城山 三郎
2008年06月15日 (日) 23:29 | 編集
本当に生きた日
『本当に生きた日』
城山 三郎
新潮社 2007-05

専業主婦の素子は夫の単身赴任を機に、行動的な友人ルミに引きずられるようにして外で働くようになり女性の生き方について深く考えるようになる。家庭を守るだけでは本当に生きていることにならないというルミ、視野が広がっていく面白さを感じながらも家庭の大切さを実感していく素子。女性にとって本当に生きるというのはどういうことなのか・・。城山三郎がこのようなテーマで小説を書いていたことにまず驚いた。だが、男性が書いていながら女性の葛藤が繊細に描かれており、やや古風な感じはするものの共感できる作品だった。個人的には、女性の生き方が幅広くなった分葛藤や矛盾が増えており、まだまだ混乱の時代は続くのではないかと思う。

読了日:2008.6.15
★★★★☆


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『さまよう刃」東野 圭吾
2008年06月12日 (木) 22:04 | 編集
さまよう刃 (角川文庫 ひ 16-6)
『さまよう刃」
東野 圭吾
角川グループパブリッシング 2008-05-24

大切な一人娘が無残な遺体で発見された。密告電話で犯人宅に向かった父親は娘の死の詳細を知り未成年である犯人への復讐を始める。法律は加害者を守るためのものなのか?遺族の心の嘆きはどこへ向かうべきなのか?復讐と少年法を問う作品。誰もが主人公である父親に共感するはずだが、では果たして復讐という形は救いをもたらすのか・・。単純に復讐OKな時代もあったわけだし、人間というのは文明の進化と感情の矛盾と戦い続けているような気がする。やり切れないテーマの小説で出口が見えない。考えさせられる作品。

読了日:2008.6.11
★★★★☆


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『蛍』吉村 昭
2008年06月12日 (木) 21:25 | 編集
『蛍』
吉村 昭
中央公論社 1989-01

蛍を見に行き川に落ちて亡くなった五歳の甥の葬式に出かけた主人公が、死の原因を作った小学三年生の甥と過ごす通夜の夜・・。表題作「蛍」の他死を見つめる短編9作。刑務官が死刑執行時の支え役を引き受けたことで与えられた特別休暇で出かける新婚旅行での心の揺れを描いた「休暇」が映画化するとのことで本屋で平積みされており手にした。吉村昭を読んだのは10数年ぶりだと思う。激情や大きな悲しみが描かれるわけではなく、客観的な視線で登場人物に多くを語らせず、彼の持つ「死」への思いを淡々と読者に投げかけてくる。こんな”静かな”小説もたまには良い。

読了日:2008.6.9
★★★☆☆


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