2008-07-07(Mon)
『千日紅の恋人』帚木 蓬生

『千日紅の恋人』
帚木 蓬生
新潮社 2008-03-28
二度の結婚を経て独身の時子は、ヘルパーのパートをしながら父の遺した古いアパートの管理人として一癖も二癖もある入居者たちを家族のように見守っていた。もう恋はしないと思っていたが、入居してきた青年のことを意識し始める・・。『閉鎖病棟』同様立ち上がりはスローだ。多くの登場人物それぞれの性格がはっきりと浮かび上がるまで恋愛らしい展開も無いので、しばらく話の軸が見えてこない。最近の小説にはないこのスローテンポさがこの作者の個性かなと思うしここがまた良い。山場や刺激は無いが、読後何故か心の中が満たされている。きっと作者は人間が好きなのだと思う。どんな人物にも暖かい眼差しが感じられるところに惹かれるのではないか。
読了日:2008.7.3
★★★★★







